ぷらっちなむ・パーフェクト
夜空と星と白金と
限りなく白くキラキラと輝く花火。今まで見た花火の記憶にはないものだった。

「間に合ったんだな、晴のじーちゃん」

外房マリンの桟橋で紺が白金色に輝く花火を見上げながら、轟音に負けじと晴に向かって叫ぶ。

今年の花火大会用に、と晴のじーちゃんが息巻いていた本邦初公開の花火だ。

「おい、梅男!しっかり、んー しろ、んー」

向かいの桟橋では、ようやく岸にたどり着いた富田が梅男を引き上げている。

「ばか富田!それは俺じゃねぇ!早く俺を助けろ!」

川を見ると、今まさに引き上げているはずの梅男が浮かんでいる。

「じゃぁ、これは?」

やっとこさ上半身だけ桟橋に引き上げた男の顔を覗き込む。髭も髪も伸び放題だが、どこか見覚えのある顔だった。

「どちらさまでしたっけ?」

富田の問いには答えず、男は息も絶え絶えに声を絞り出した。

「助かった。。。」
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