ぷらっちなむ・パーフェクト
共に歩もう
観覧車の横に打ちあがる花火を見ながら思い返す。

みんな一生懸命がんばった。

大げさな話ではなく、閉山を覆すこと以外考えなかったし、それ以外の時間もとらなかった。

それだけに、スキー場閉山という正式な知らせを聞いて5人が5人その場にへたり込んでしまったのも無理はなかった。

それまで5人を突き動かしてきた、ただ一つの根拠がなくなってしまっては。

「おう、かわいい孫にも旅衣装ってのはこのことだな」

振り返ると、奈津と同じくタキシードを来た梅男がいた。身長も高くスタイルもいいので様になっている。しかし相変わらずのアフロ。

「孫にも衣装ね」

こちらも相変わらずの体型の富田。タキシードのボタンが若干窮屈そうだ。

「主役はそろそろスタンバイしてくださーい」

初めてのタキシードもなんだかオシャレに着こなしている紺と晴。


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