ぷらっちなむ・パーフェクト
奈津は拍手で迎えられ、パーティー会場の壇上席へと座る。招待客みんなが注目している。見世物になったみたいで落ち着かなかった。

後ろには

「スノーボードハーフパイプ五輪代表 壮行会」

と見事な楷書で書かれた大きなプレートがぶら下がっていた。

壇上の席には同じくオリンピック代表に選ばれた選手達が並ぶ。子供の頃からスノーボード英才教育を受けだ高校生ライダーを始め、みんな若い。

年齢的なところで、一応リーダーとして祭り上げられているので、真ん中の席に腰を下ろす。

時間となり、司会役が開会を宣言する。

「それでは、ただいまよりハーフパイプオリンピック代表選手の壮行会を始めたいと思います」

奈津は会場の中である人物の姿を探す。何やら囃し立てている梅男達の姿は見つけたが、目当ての人物は見当たらなかった。

スキー場のためでもない。オリンピックのためでもない。

自分がここまでがんばれたただ1つの根拠。
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