ぷらっちなむ・パーフェクト
今の時刻は夜の10時ちょっと前。他の4人は明日の出発に備え早々に布団の中へと潜ってしまっている。

奈津はカウンターを立ち、カフェの出口に向かった。

「あ、奈津」

「ん?」

呼び止められた見舞い用のメロンは、立ち止まり満里の方を振り返る。

ぽっぽ~ ぽっぽ~

鳩時計が丁度夜の10時を指し、時計から鳩が出てきてその刻を告げる。

ぽっぽ~ ぽっぽ~

満里はその場に立ち上がっただけで、何も言わずに奈津を見つめている。

ぽっぽ~ ぽっぽ~

奈津も満里の言葉を待つ。

ぽっぽ~ ぽっぽ~

「奈津さ」

「うん?」

ようやく満里が口を開く。

ぽっぽ~ ぽっぽ~

鳩時計の鳩は役目を終えると、またもとの場所に引っ込んでいく。

お互いが見つめあったまま刻は流れる。

「見舞い用のメロンみたいだね」

「寝る」

奈津は喫茶室を出て、4人が寝静まる自分の寝床へ向かった。

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