ぷらっちなむ・パーフェクト
ぱたん。

奈津はドアの閉まる音で目を覚ました。

喫茶室から戻った奈津は、布団に潜り込むといつの間にか眠りについていたようだ。

ドアの曇りガラスを見る。高さも大きさも人間の顔ほどだ。

ドアは閉じられていて、満里もいない。

廊下の照明は切られているのか、曇りガラスの向こうは真っ暗で、人の気配はない。

「がー」
「ぐがー」

梅男と富田は騒音のようないびきを撒き散らしている。思えば、よく何ヶ月も同じ部屋で寝られたものだ。

二人の幸せそうな寝顔を見ていると、なんだか無性に腹が立って来る。

起きているときには絶対に出来ない。だが、寝ているときには何でも出来る。

奈津は梅男と富田の顔面に、一発ずつ自分の枕を叩きつけた。

ばふっ。ばふっ。
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