ぷらっちなむ・パーフェクト
「あんた達さぁ、今年こそ携帯買いなさいよ」

「何で?」

「何で、って。便利じゃない。みんな持ってるわよ」

「みんな って。俺ら誰も持ってないけど」

「あんた達がおかしいのよ」

バスの窓越しに梅男と満里がやりとりをしている。

奈津はもう一度昨日のリアルな夢を思い出し、明と並んで立っている満里に目をやる。満里と目が合った。

「奈津も、携帯買ったらメアド教えなさいよ」

やっぱり、いつもと様子の変わらない満里だった。

「メアドって、何?」

満里は諦めたような力ない笑顔をすると、小さく手を振った。
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