ぷらっちなむ・パーフェクト
突然の来客
灯りのついていない暗い部屋をゆっくりと進む。3歩も歩けば窓に辿り着く。

久しぶりだな、ここも。

何の気なしに傍らの勉強机に手を置く。

散らかっているなぁ。

雑誌や本が散らばる机。

ちょっとは整理しなさいよ。

散らばった冊子をまとめようと本に手をかけたその時、ベッドの上で何かの影がゆっくりと盛り上がる。

その物影を視界の端に捉えたまま息をのむ。そして。

「きゃあぁぁぁぁあぁぁ!!」
「うわぁあぁああぁぁぁ!!」

のどかな町の静寂をぶち抜くように悲鳴が響き渡る。その声にびっくりした奈津も叫ぶ。

「何よ!奈津かと思ったじゃない!」

「いや、奈津ですけど」

「何してんのよ、こんなところで」

「ここ、僕の部屋ですけど」

「いるならいるって言ってよ!」

「えぇ?」

「僕いますよー」って言えばいいのかな。寝ながら。

暗闇の中で数秒見つめあう二人。甘くとろけるやつではなく、早い話がハブとマングース。

薄暗い部屋でお互いの光る目だけを凝視していた。
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