ぷらっちなむ・パーフェクト
「あら、かわいいお客さんね」

空では相変わらず太陽がじりじりと照りつける中、那美がトロピカルジュースを手に持ってやってきた。

厚い唇、口元のホクロ。絶妙に垂れた目尻とパッチリした目は、世の男子達を甘い気分にさせる。

「こんにちは」満里は軽く頭を下げて挨拶をする。

「こんにちは」

「こちら、信州から来た満里ちゃん」梅男が満里を紹介する。

「あら、うちの店と同じ名前ね」那美は房総マリンの看板を親指で示す。

梅男は渋い顔で唸った。マリとマリンか。

「丁度よかったわ。飲む?これ」

那美は挨拶もそこそこに、手に持っていたトロピカルジュースを満里の顔の前に出した。今日のは吸い込まれるようにきれいなブルー。

男5人の空気が強張る。丁度よかった の言葉に驚愕の表情を見せている。

「あ、はい。喉渇いちゃって。いただきまーす」

「あ、、、」

奈津が止めるまもなく満里はストローに口をつけ、一口二口とトロピカルジュースを飲む。

五人は黙ってその様子を見守るしかなかった。
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