ぷらっちなむ・パーフェクト
「ね、そろそろ出してくれない?」奈津は横になりながら顔だけ梅男と富田の方に向けている。

「なんか、レモンジュース一気飲みしたくね?」

「あ、俺も今そう思ってた」

「レモンって、太陽のフルーツなのかもな」

「絶対そうだよ。だって太陽浴びると飲みたくなるもん」

「おし、一本行っとく?」梅男は勢い良く立ち上がると、海の家に向かって走り出す。

「マックスも行っとく?」それに続いて富田も少し出た腹を揺らしながら走っていく。

「あ、ねぇ、ちょっと!」

奈津が梅男と富田を追いかけようとする。が、2人を追いかけているのはその気持ちと顔だけ。

奈津の叫びは目に痛いくらいの青い夏の空に虚しく吸い込まれていった。
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