ぷらっちなむ・パーフェクト
「いやー、食った食った」

「ほんと、あんた食べすぎじゃない?」

腹をさする富田に満里が言う。

「百貫デブだからな」梅男。

「百貫もないわ!」百貫が何Kgあるのかはわからないが、デブの部分は否定しない富田。

夕暮れまで海で遊んだ6人は、今度は紺が家族で経営する民宿「安房」にお世話になる。

民宿安房は、一見すると大きさこそ一回り大きいが一般の民家と変わらない佇まい。しかしおもてなしも温かく、アットホームな民宿だ。

海水浴場から歩いて5分、水着で海へ行ってそのまま帰ってこれる好立地。

梅男の海の家で遊び、紺の民宿で泊まり、信が獲ってきた魚を食べる。今まさにその魚料理が6人の前に並べられていた。

お金なんてかけなくてもいい。心をこめて迎えてあげる。それだけでもてなしの心というのは伝わるものなのだ。
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