ぷらっちなむ・パーフェクト
「満里、いつ帰るの?」奈津の隣に自分の布団を敷きながら晴が聞く。

「明日。明日の昼くらいに出るわ」

「明日?!もう帰るの?」晴の隣でシーツを整えていた富田が手を止める。

「この部屋1週間取ってあるんだぞ?」富田の隣の紺。やることがいつも極端だ。

「わたしはどんだけ暇人なのよ」

「そんな急に帰るって言われたら、これも、これも、これも予定変更じゃんか」

梅男は「旅のしおり」と汚いで書かれたノートを開き、 ばんばんばん と叩きながら一番遠くの布団から満里に迫る。

満里はうつ伏せのままノートを受け取ると、ぱらぱらと開いていく。表紙には『たびのしおり』と汚い字で書かれている。

「なんで運動会みたいになってるのよ」

夏のしおりを閉じ、枕元に置く。

「どうだ。帰りたくなくなっただろ」

梅男が胸を張る。

隣の奈津に、スケジュールの一部がちらっと目に入った。ビーチフラッグ、ビーチバレーから始まり、ビーチ騎馬戦だとか、ビーチ棒倒しとかいう文字があったような無かったような。
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