ぷらっちなむ・パーフェクト
「満里、ほんとに帰るのか?」

ご飯に海苔を器用に巻きながら梅男が聞く。

「うん」

満里は背中に纏わる悪夢で目を覚ますと、そのまま朝食の卓に着いた。背中の痛みは日焼けというより、猫に引っ掻かれた痛みに感じられるようになっていた。

「残念だなぁ」富田は2杯目の黄色納豆をかき混ぜている。

「一ヶ月でも居てもいいのに」相変わらず極端で無謀な紺。

「私はどんだけ暇なのよ」

「じゃぁ、次会うのは冬か」晴がかき混ぜた生卵をご飯にかけながら言う。

「。。。うん」

満里はアジの開きをつついていた箸を止めて俯く。

急にトーンダウンする満里に、5人は視線を集める。

「どったの?」

様子を伺うように梅男が満里を覗き込む。

「。。。ううん」

満里が俯きながら顔を左右に振る。

「ただ。。。」

「ただ?」

「なんでもない。寝不足なだけ」

「ほら富田!お前のイビキがうるさいから」

「それは違う。梅男でしょ」

二人共だよ。
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