ぷらっちなむ・パーフェクト
お別れ。。。
5人は昨日決めた予定通りに絶景ポイント「雀島」へとやってきた。

正式な名称かどうかはわからないが、地元ではそう呼ばれている。

「どうだ?すげぇだろ」

言葉にならない感動の声をあげる満里に、梅男が我が物顔で自慢する。

飛行機に乗って国外へ出なくても、美しい景色というのはいくらでもある。ここ雀島もその一つだ。

満里は黙って自分の故郷の山を思い出す。

自分の住む桃竜山だって、この雀島に負けないくらいの美しい景色は有ったはずだ。

小さな頃から眺めていて慣れてしまったのか。あるいは、目が、心が、曇ってしまったのか。

山から見下ろす両手で掬い取れそうな小さな町並。ランドマークといったら大げさだが、あの町で存在感を示す歴史あるホテルはミニチュアのように見えて大好きだった。

そうだ。小さい頃その風景を飽きもせず、日が暮れるまで眺めていたではないか。
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