ぷらっちなむ・パーフェクト
上空では無数に輝く星に交じり、一定間隔で点滅する飛行機の灯りがはっきりと見えるようになっていた。

梅男が傍らの小石を川に向かって投げる。間抜けな水音が鳴ると、そこを中心として滑らかな円が広がっていく。

梅男に続いて富田も石を投げる。梅男の時よりちょっと高い水音が鳴った。

紺、晴も続く。そして奈津も。波紋はいくつにも重なり、ぶつかり合い、先ほどまで穏やかだった水面が漣立ち、乱れる。

5人の心の中を表現するならば、丁度こんな感じになるのであろう。

手の届く範囲に手ごろな石がなくなると、梅男が立ち上がる。そして、土手の傍らに祭られてある巨大な岩に手をかけた。

高さは梅男の身長と同じくらい、横は大の大人が両手を広げて漸くその円周の半分に至ろうかというほどだ。

「ぬぁああああああ!」

梅男は雄叫びと共に力を込める。梅男の腕に筋が立ち、血管が浮き上がる。

岩と重力の抵抗も虚しく、ついに頭上へと抱え上げられた。4人とも、岩の重量をKgという数値で測ることをやめる。
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