ぷらっちなむ・パーフェクト
「なんの話だったっけ?」

先ほどの若者を救急車に乗せた那美は、5人の前に戻ってきた。

「水は、怖い」

合図でもしたかのように5人の声がきれいに揃った。

「そうそう、そうだったわね」

那美はヘルメットを装着した5人を見る。気のせいか満足そうな表情に見える。

「とりあえずやってみましょっか。あんたたちは習うより慣れろってタイプだし」

「なんか頭の弱い肉体派って言われてるみたいでやだなーそれ」

「あら、ちゃんと伝わったみたいね」

富田が目を泳がせる。那美はかまわずに続ける。

「誰から行く?」

5人は黙ってお互いの顔を見合わせる。

那美は手の平を上に向け、人差し指をちょいちょい、とする。

「こういうのは梅男。あんたの役割でしょ」

「今回だけは!」

梅男が後ろに後ずさりしそうになると、4人が一斉に押さえつけた。
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