ぷらっちなむ・パーフェクト
「梅男ー、体起こしてーっ」

重心が後ろのままの梅男に那美が叫ぶ。しかし、那美の言葉とは裏腹に梅男の重心はどんどん後ろに倒れていく。そしてほとんど真横になってしまった。股の間から二本の腕が伸びている状態。

「ぶわっぷ、ぶわっ」梅男はボードが舞い上げた大量の水をかぶる。

起き上がるきっかけを与えようと、那美はアクセルをちょっと開けてみた。

「がば!だびさん!ぶっ、だびさん!」結果、さらに大量の水が顔に浴びせられた。那美はスピードを緩め、梅男のそばに向かった。

「ぶはぁっ、死ぬかと思った!」梅男が犬のようにぷるぷると顔を振る。

「あんたバカでしょ」那美は八の字航行をしながら言う。

「なにをぅ?!」

「そういう時は手放しなさいよ」

那美にそう言われ、梅男は自分の握っているグリップを見た。

「あ、そうか」
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