ぷらっちなむ・パーフェクト
町内!!分裂
「おーい、奈津ー!」

奈津は自分の両の掌をまじまじと眺め、昼間に感じた水の重さを思い出していた。

あれから数時間経った今も、水の上を滑走する間隔は体に残っている。

「奈津ー!」

聞こえないフリをしてみたが、そんなものが通用する相手ではないことはわかっていた。

奈津は返事をしないまま自分の部屋を出て階段を降りる。

「お前返事くらいしろよ」

居間では信が真っ赤な顔をしてビールを呑みながら野球観戦をしている。

「何?」

「ビール買ってきてくれ」

折りたたまれた千円札を突き出す。

「キリンな」
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