ぷらっちなむ・パーフェクト
どうせ飲むんだからまとめて買って来い、といつも言うのだが、信はまとめて買って来ない。

なぜ信がまとめて買ってこないのかその理由を知っている。だが、それを知っていてはいけないような気がして奈津は知らないふりをしている。

何を言っても最終的には買いに行くはめになるので、何も言わずに従う事にした。

「はいはい」

「はいはい、は一回でいいんだ!」

「じゃ、いいんじゃん」

「よくない!大体お前は素直に俺の言うことを聞いたことが、、、」

「はいはい」

「はいはいは一回で、、、ん?」

信は背筋と首筋を伸ばし、その黒い目玉だけを右上に向ける。考えを巡らせてる時のくせだ。

奈津は千円札をポケットにしまうと、玄関へと向かう。

「はい は一回でいいんだ!」

信の言葉を背に奈津は家を出た。
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