ぷらっちなむ・パーフェクト
空を見上げると今にも振ってきそうな無数の星たち。

煩いくらいに聞こえてくる虫と蛙の鳴き声。窓を開け放しにした民家からは、プロ野球中継の音声が漏れてくる。

夏をあらためて実感する瞬間だ。

奈津は橋を渡り、川を隔てた町の南側へと向かう。

釣具店と酒屋が向かい合って並んでいるところまで辿りつくと、自転車にブレーキをかけた。短く ギィ という音が鳴る。
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