私のペットは俺様美男!!!
「…………。」
叶多君が、何か言いたげに恭介を見る。
恭介はというと、そんな叶多君の視線を真正面から受け止めていた。
「…………恭介は、さ。」
ふと、私は恭介の横顔に向かって呟いた。
「これから行く当てはあるの?」
「…………無い。」
だと、思った。
この綺麗な男の人は、行く当てが無くて飢えて行き倒れていたんだと思う。
だから、不味い私のクリームシチューも凄い勢いで完食したんだ。
叶多君は恭介を見つめていて、やがて小さく溜め息をついて立ち上がった。
「見ず知らずの人間をいつまでも家に置く奴がどこにいる。とっとと出ていけ。助けてやった事に感謝しろ。」
叶多君の言う事は正しい。
けど――――。
部屋を出て行こうとする叶多君を制するように、私は立ち上がって叫んでいた。