私のペットは俺様美男!!!
「まりあー!!」
「亜樹、おはよー。」
リビングには既に会社勤めの叶多君はいなくて、代わりに亜樹と発情期の犬こと恭介がいた。
「あ、そうだ恭介。」
「何だ。」
ふと名案を思い付いて、私は恭介を見た。
恭介は新聞を読みながら、堂々とソファに居ずわっている。
「我が家さ、金無いんだよね。」
「……さっき叶多から聞いた。」
「あ…。」
ひょっとしたら、私がまだ寝てる間に何か一悶着あったのかな……。
「それで、亜樹の保育園代、すっごく苦しいんだ。でも亜樹を勉強させないワケには行かないし…。だから、さ!!」
私は亜樹を抱えて、恭介の隣に座らせた。
「面倒見てやってくんない!?」
「………は?」
恭介が私を見つめる。
「俺が?この、ガキの?」
「うん。家賃、それで良いから。」
「……働け、とか言わないのか?」
「働いてくれんの?」
「…………事情があって出来ない。」
何その言い訳…。
「でもペットが会社勤めなのも変じゃん。だから、亜樹の世話して。そうすれば保育園代浮くし。」
恭介はしばらく亜樹を眺めていたけど、やがて溜め息をついて頷いた。
「………わかった。」