私のペットは俺様美男!!!
「お前…味音痴なの?イケメンなのに。」
叶多君、イケメン≠味音痴という方程式は無いよ。
「亜樹、酷いよ…。姉ちゃん悲しい。」
「まずい。ペッ」
吐き出した……。
亜樹、君は悪魔なの?
「ごちそうさん。」
「あ、お粗末さま。」
恭介はすっかり空になった皿を私に差し出した。
「あ、そうだ。恭介さ、絶叫好き?」
「は?」
恭介がきょとんと目を見開く。
「…絶叫?…………別に、普通だけど。」
「あ、じゃあさ!!」
私は放っておいたチケットを差し出す。
「一緒に、行かない?」
―――――この時の虚に突かれた恭介の顔を、私は一生忘れないと思う。
「何で、俺?」
「いやだって、他に行く人いないし。」
――――この時は、そんなノリだったけど。
この瞬間、私の未来が大きく変わっていたなんて……
今の私は、知る由も無い。