たまゆら。
お昼もカレーだったんだけどな。
そう言うと、ユッキーがチャーハンを作ってくれた。
…そんなつもりはないし、「いいよ」と何度も言ったのに。
俺がシャワーから上がると、テーブルにはカレーとチャーハンが並んでいた。
――本当に、優しい子だと思う。
俺は泥を綺麗に落としたスカートと、元通りの白に戻ったハイソックスを彼女に見せた。
「頼まれたぶん。靴下も、制服も全部きれいになったよユッキー。さすが俺」
「ご苦労様。あとで乾かすからそこに置いといて」
「いーよ。俺にやらせてください」
リビングのソファーにバスタオルを敷いて、その上に置くと、ドライヤーを当て始めた。
まぁこのドライヤーももちろん、借りてるものなんだけど。
「なんてったって、忠犬ですから」
「えー、いいから。早く片付けたいし、早く食べちゃって」
「…えー」
「忠犬なんでしょ、言うこと聞く!」
そう言われると、仕方ない。
俺はドライヤーのスイッチを切ると食卓に戻って、ユッキーの向かいに座った。
ユッキーもまだ頭を乾かしていないらしく、タオルでターバンのようにして髪の毛をくるんでいる。