たまゆら。
二人とは合わない。
そう気づいたあとは少しの間一人だったけれど。
ふらっと友達ができた。
前にシュシュについてたパールを拾ってくれた、女の子。
それが香奈だった。
最初は下駄箱で会って、挨拶して一緒に教室まで歩くといった感じだったけど、彼女の話が面白くて、意外と気が合うことがわかった。
読む本も似ているし、甘いものの趣味も似ている。
気が付けば、仲が良くなっていた。
私にしては随分贅沢な話。
――友達って、こうしてできるものなんだな。
改めてそう思った。
「ね、あたし行きたいカフェあるんだけど、放課後一緒に行かない?」
香奈に誘われたとき、なんとなくデジャヴを感じた。
そしてその予感は当たっていた。
コーヒーとベイクドチーズケーキといえば、ここなのだ。
「いらっしゃいませ」
一か月ぶりにやってきたラメールの扉を開けると、前と同じお姉さんが出迎えてくれた。