モテヤンキーにコクられて
「じゃー、俺のダチんち行く? 本もゲームもなんでもあるぜ~。ついでに座ってるだけで、飯が出てくる!!」



「……それって、柴田先輩が居座りすぎなんじゃー」



「そんなことないけどな?」



「っていうか……デートなのに……なんで友達の家なんか」



「……だったら、俺んちにする?」



「そ……そーいう意味じゃないです。いきなり……家とか、ありえない。

柴田先輩って……今までの彼女と、どーいう付き合いしてきたんですか!?」



「どーいうって……」



柴田先輩は少し困った顔をしたけど、思いなおしたように口を結ぶとニッコリと笑った。



「……今朝、元カノの話は聞きたくないって言ってたよな。だから言わねーから。

今日は……ダチに俺の彼女を紹介したいなって思っただけで……ただ、それだけだった」



柴田先輩は切ない表情をして、あたしからフッと目を逸らした。



そうだった……あたしが、元カノの話なんて聞きたくないって言ったんだった。



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