モテヤンキーにコクられて
恥ずかしいけど……憎まれ口叩いてるときよりも、全然いいかもしれない。



だって……柴田先輩が、あたしにフワッと抱きついてきたから。



「……俺も。美桜も、そー思っててくれたんだ?」



道の真ん中だけど、ちょうど人通りの少ない場所で、辺りにはあたしたちしかいない。



今ぐらいは……素直になってみよう。



「……うん」



コクリと頷くと、抱きしめた体勢のまま背中をポンポンと叩いてくる。



「元カノのこととか……もう、聞くなよ? 俺が美桜としたいことを、したいタイミングでするだけだから」



「うん……もう、聞かない……」




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