モテヤンキーにコクられて
あたしは柴田先輩から逃れるために、立ち上がった。


「…おい、待てって」


柴田先輩は立ち去ろうとしたあたしの腕を取り、軽く引っ張った。


「何ですか?」


「やっぱ今日…帰ろう。門の所で、待ってる」


「待たれても困るんで。あたし、本当に用事があるんです」


「何の用だよ」


「…犬の散歩があるんで」


「…は?」



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