かな子
かな子
妹が生まれたら、「かな子」と名づけようと思っていた。
ママのお腹は日を追うごとに膨らんできていて、私はよく幼稚園を休んで、ママの検診にくっついて行ったりしていた。

女のお医者さんが、白く膨らんたお腹にとろとろとした液体を塗って、ベージュ色の機械をあてがった。
お医者さんの隣にある黒い画面に映っている、ぼんやりとした影が妹なのだという。

妹はたしかにママのお腹の中にいて、心臓が動いているらしかった。
ママと一緒にお風呂に入った時、はちきれそうなお腹がいっそうあらわになる。苦しそうだと思った。
でも、ママは何食わぬ顔でお湯の中に入っていった。

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