LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
細い糸で良いから、結ばれては居たかった。

忘れたくない気持ち。

カーテンの隙間から、景色を望む。

男女の姿が目に映る。

私にも、あんな日があった。

肩を並べて歩き、向かい合い、色んな話をした。



「…海斗が居なきゃ…ダメなんだよ…っ…」



会えない時間が重なる度、考えとは裏腹に、不安で…怖くて。

海斗に会いたくなった。

今、どうしてるかもわからないのに、どうしてこんなに。

退院したら、会いに行く勇気が欲しい。

あの日が最後だったら、私は自分を恨むしかない。

飛び出して、後悔して。

救いようのない馬鹿だと。
< 190 / 538 >

この作品をシェア

pagetop