LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
自動ドアの脇にある灰皿の前に立ち、煙草を吸う。



「今だナルミ!」



…同じ名前かよ;;



「私も行きたいっ!」



…来なくて良いだろ。

時々、この顔立ちが憎い。

親父はこの顔を利用して、女を得たわけだし。

横目ではしゃぐ女子高生を見た後、こちらへ走ってる下川さんを見付けて、煙草を灰皿へ投げ捨てた。



「ナルミ!あれって結婚指輪じゃない!?」



「え?あれが?安物で女避けかもじゃん!」



どんだけポジションなナルミだ。

しかも安くない。

それに、もし女避けだとして当たってて来たら、空気の読めなさにキレるだろうな。

――俺ならば。
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