LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
埓があかなくなり、海斗が海花さんに連絡を取ると、かなり落ち込んだ様子で現れた。

私たちは午前の仕事を休み、裁判所へ付き合う事にした。



「何をしたんだよ」



裁判所に向かう車内、海斗が海花さんに問う。



「だから…私も騙されたの!
元上司に“資金は払うから名義を貸して”って言われた土地のローンが、まさか未納なんて」



海花さんの優しさに、漬け込んだ元の上司は行方不明とまで言った海花さんに、海斗は「馬鹿が」と、その一言だけ。

裁判所では、上司と交わした約束は口頭で、証拠がないからと言われ、支払いを命じられただけ。

門前払いに近かったけど。
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