LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】
「……海斗?」



何をしても、気が張れない。

私は盛り付けをする前に、ソファーで資料を片手に晩酌をしてる海斗に近付いた。



「どうした?」



表情の固い私を心配したように見る海斗の足元にしゃがみ込み、永井さんの事を話した。



「はぁ?あの子、俺や成美にどうしろと?」



「…わかんないっ」



わかってたら、私の性格なら、海斗には話してなかった。

永井さんを相手にしたくなかったと思う。



「一度、下川さんに探って貰う。俺が出るのも、それからでも遅くないだろ。16歳を脅すのは嫌だし…ごめんな?成美」



海斗に謝らせてしまった。

何も悪くない海斗を…。



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