桜星サンセット
それから学校は居心地の良い場所へと戻った。

冷たい視線が温かいものへと変わった。

「旅行の買い物行かない?」

アンだけは変わらない笑顔と態度になぜかホッと安心感を覚える。

「行こう」

終業式の帰り街へとショッピングに行く。

街には制服姿の子が沢山いた。

普段もよく見かけるが、みんな明日から夏休みだからか、浮き足立った活気ある雰囲気であふれていた。

「パジャマでしょ、下着も新しいの欲しいし、あと何要るかな?」

「水着。クアハウスっていうの?温泉のプールが近くにあるんだって」

コウスケに聞いたんだ、ちゃんと話してるみたいだ。

これなら旅行前に仲直り出来ちゃうかも。

私達はまず水着の店に入った。

店内は何着もの水着を持って悩んでいる女の子でいっぱいだった。

これアンに似合いそう。

デニムっぽい生地の、一見シンプルだけど縁取りやボタンが付いて凝っている。

それを手に取り、人ごみの中からアンのふわふわの髪を目印にアンを探す。

いた!

「アンー」

アンも私に気付いて人をかき分けながらこっちに来る。


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