桜星サンセット
旅行の時に作った陶芸とペンションで撮ってもらった写真が届いた。

抹茶用の茶碗。

私もアンも茶道の経験は全く無かったが、陶芸教室で見た茶碗があまりにもきれいで気に入り2人共それにしていた。

先生にかなり直してもらったおかげで売り物になりそうなくらいの出来だった。

写真はみんなで並んで撮った記念写真の他にも、知らないうちに撮られたものもあった。

夕食時のワイングラスを持ったお姉さん達や、朝食時の笑っている4人、それにあの日の日付の入った夜空の写真。

思い出がさらに増えた。

自分の部屋を久しぶりに掃除をして、一番目立つところに茶碗とネックレス、沢山の写真の中から朝食の時の4人を選んで写真立てに入れて置いた。

ネックレスの青いガラスの中にあの星空が浮かぶ。

手を伸ばせばすぐそこにあるようでずっと遠い星達。

星の中にコウスケの顔がふいに現れた。

星と同じくらい輝いた目のコウスケ。

まあ、星を見ていたほとんどの時間がコウスケと一緒だったからね。

窓を開けて空を見てみた。

あの日の星とは数も光も全然違う。

それでもあの時感じた、心がふっと温かくて楽しい感じがした。

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