桜星サンセット
高野さんには本当に驚かされる。

「まあ、とりあえずもう真似されなくて良かったね」

そう言ってアンを見ると満足気に微笑んでいた。

アン、何か知ってる?というか何かした?

舞ちゃんたちが2人の事で盛り上がってる中、こっそりアンに聞いた。

「くっつけちゃった」

小さくピースして笑った。

「どうやって?すごすぎるよー」

「割と簡単だったよ。田代さんには高野さんがどれだけ一途に想っているのかを語って、高野さんには田代さんの好みを教えただけ」

そうやって聞くと簡単だけど、相当上手く話さないとこうはいかない。

「田代さんは癒し系が好きなのよ。文化祭の準備で疲れてるから今が一番のチャンス。まだちょっとダイエットが足りないけど」

人のことは上手く立ち回れるのに、自分の事は好きかどうか分からないくらいダメなんて、と思ったらすごくおかしくて吹き出してしまった。

< 157 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop