桜星サンセット
「アン、本当に彼氏いないの?」

「いないよー。探すためにあの学校入ったくらいだしー」

「そうなの?」

「そうだよ。じゃなきゃ1時間半もかけて通おうと思わないよ」

「なんで?なんで?ウチの学校の男の子ってレベル高いの?そうとは思えないけど・・・」

今日見た限りではかっこいい子なんていなかったし、偏差値低いとこだから頭良い子もいないし。

「私高校はすっごく調べたんだよ。何十校も、ううん、百校越えてたかも。その中から絶対ここって決めたんだ」

私なんてもうここしか無かったから来ただけなのに。

「なんか、すごい。うちの学校ってどんな学校?」

アハハッ、アンが噴出した。

「なにそれ?知らないで入ったの?そっちの方がすごいよ」

少し溶け始めたアイスを一口食べて話を続けた。

「まず、校則が有って無いようなもんでしょ。何やっても親がOKなら大丈夫。たとえ妊娠しても親が良いって言えば良いんだって」

「はっ、に、妊娠?」

「例えばだって。たとえば」

素っ頓狂な声を上げた私を、また笑いながら言った。

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