桜星サンセット
「コウ呼ばなくていいよねー?」

えっ、私?

「いいよ、いいよ。あの子ちょっとねー」

この声優美だ、ちょっとって何?

「あー、やっぱりー、なんかウチらっぽくないよねー。カラーが違うって感じ」

ノン?

「なんだみんなそう思ってたの?ぶっちゃけ落ちてくれて良かったよねー」

うそ、みっちゃんまで。

発表の日一緒に泣いてくれたのに。

みんなずっと友達だって言ってくれたのに。

「だねー。じゃ、ウチら4人の友情にかんぱーい」

カチーンとグラスの音が響いた。

「だってやすこダサいじゃん?一人だけブスだしその上バカ?」

「そうそう、髪もボサボサで私服もひどかったよねー。どこで売ってんの?って服ばっかで」

「気つかって制服ばっかで出かけてたよね。あいつ気付いてないしー。ウチらの優しさに」

「あいつのせいでウチらのレベル下がってたし。これからは最強だよね。かわいさもイケてる具合も」

友達のしるしの「コウ」から「やすこ」になって「あいつ」になっていた。

私の悪口はえんえん続いた。

アハハハハハッーー。

誰かが何かを言うたびにバカにした笑い声が上がり、体に突き刺さる。

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