桜星サンセット
「とりあえず座ったら?」

アンが小さな声で言った。

「そうだね」

笑顔を作ろうとしたが出来ていたかは分からない。

イスに座ると足が小刻みに震えているのが分かった。

水を飲もうとグラスを手に取った手も震えていてうまく飲めない。

みんなとは3年の時同じクラスになって仲良くなった。

休み時間もトイレも放課後も修学旅行もずっと一緒で、誰かの家に泊まったり、休みの日には必ず遊んでいた。

高校に行っても大人になってもおばあちゃんになってもその関係は続くと思っていた。

一生の親友と思っていた。

それがこんな形で崩れた。

そもそもそんな物無かったんだ。

私が見ていた物は偽物、幻?

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