桜星サンセット
そうだよね、分かってる、アンは悪くない、悪いのは全部、私。


「友達なんかじゃない。コウは私の運命の人なんだから」


「運命、の人・・・?」

「そうだよ。友達なんて簡単なもんじゃないの。私の人生そのものに関係する重要でかけがえの無い人。コウの代わりは世界中探してもいないの」

びっくりしすぎて涙も震えも止まっていた。

運命の人?重要?世界中って・・・。

どう聞いていいのか分からない。

「だから、パフェ食べようよ。あーあ、アイスどろどろになっちゃったよ。あ、でも以外にイケるかも」

溶けたアイスがからんだフルーツや生クリームをどんどん口に運ぶアン。

つられるように私もパフェに手をつける。

「あ、ホント、おいしいかも」

「ねーー」

二人共口もきかず、夢中で食べ続けた。

パフェを食べ終える頃にはさっきの辛い気持ちは不思議なくらいすっかりなくなっていた。

「私達はあんな関係にはならないって約束しようね。あんな嘘っぽくて薄っぺらでくだらない関係になんて」

桜の木の下で初めてアンを見た時の笑顔と同じ笑顔をしてアンは言った。

「うん、約束」

私達は子供のように小指をからませて指きりげんまんをした。

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