桜星サンセット
確かに迷わなかった。

誘ってくれなかったら美術部に入るなんて考えもしなかったし、それが違う人だったら多分断っていた。

加藤先輩が誘ってくれたから迷わずに決めた。

私、この人のことを好きになるかもしれない。

♪~~

メール音が響いた。

アンからだ。

同時に廊下から人の足音と声が聞こえ始めた。

「終わったみたいだね」

そうか、アンを迎えに来たんだった。

もう、行かなきゃいけないんだ。

「じゃあ、今日から美術部員ね。気が向いたときに来ればいいから」

「はい。加藤先輩はまだ描くんですか?」

「今日は、もう絵も完成させたし、部員も増えたし、とりあえず帰って寝るよ」

そっか、徹夜だったんだ。

「じゃあ、おやすみなさい」

「うん、おやすみ」

手を振って部屋を出た。

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