桜星サンセット
変身
翌朝遠足の日の子供みたいに早く目が覚めた。

「おはよう康子。今フルーツケーキ焼いているから、アンちゃんの家に持っててね」

あまーい匂いが家中に漂っていた。

私に友達が出来た事をお母さんはすごく喜んでくれていた。

「M高がダメだった時からずっと暗くてこれからあなたはどうなっちゃうのかって思ってたら、あんなに明るい顔で帰ってくるんだもの。本当に嬉しかったわ。お父さんも智哉も喜んでたし」

そっか、暗かったよね、私。

昨日の晩御飯は久しぶりに家族みんなが笑ってたし。

私が家族まで暗くさせてたんだ。

お母さんもお父さんも、弟まで。

ごめんね、心配掛けて。

「この服どうかな?おかしい?ダサい?」

くるっと一周回ってお母さんに聞いた。

もともとセンスは無い方だとは思っていたが、昨日追い打ちをかけられて完全に洋服の迷路に迷い込んでしまった。

「うーーん、そうねえ・・・」

優しいお母さんが答えに困ってるって事はやっぱだめなんだ。

マジ、どーしよ・・・。

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