桜星サンセット
「これで一通り回ったかなー」

言いながらどんどん階段を上っていく。

鉄のドアを開ける。

屋上?

ドアを開けた瞬間、赤い光が広がった。

誰もいない広い屋上。

空は一面、真っ赤な夕日。

「ここ、気持ち良いんだよね」

大きく伸びをした。

「うん、気持ち良い」

心地良い風が髪を揺らす。

コウスケは真っ直ぐ柵の所まで歩き、手を掛け下を覗いた。

「ちょっと、危ないよ。怖くないの?」

背中に向かって言った。

「上から見ると面白いし。もしかして、高所恐怖症?」

面白がるような笑顔で振り返った。

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