桜星サンセット
電車を降りてからも沢山の人に見られて、学校までのほんの5分の道のりも遠く思えた。

やっと教室に着き、席に座って一息ついたつもりだったが、まだまだ続きがあった。

まだ席が決まっていないので二つ並んで空いている席に私達は座った。

アンと二人で話していると自然と何人かの女子が集まってきて、読んでいる雑誌の事とか噂のスイーツの事とか女の子同士の話で盛り上がった。

学校が始まった初日にもうこんなに沢山の子と話が出来て笑い合って。

みんなでおしゃべりするのって本当に楽しい。

「うわ、何あれ?」

輪の中の一人が廊下を指差した。

その先には沢山の人、他のクラスの子や、上級生もいた。

前と後ろのドアと廊下側の窓から全員がアンを見ていた。

「うわー、こっち見たぞー。超かわいいーー」

低い声が一斉に響いた。

アンの事はすでに学校中に広まっていて、朝から見に来ていたのだ。

これには女子もさずがに私もびっくりした。

間もなくチャイムが鳴り廊下の人達は帰って行ったが、これからこんな日が続くのかと思ったらちょっと怖くなった。

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