記憶が思い出に変わる時(仮)
部活の休憩時間。
あたしはタオルと飲み物を持って待機する。
「あっちー!!」
「陵先輩、お疲れ様です」
「おっ、服部ちゃんありがと!」
「服部ちゃん、俺にもくれる?」
「はいっ!太雅先輩もお疲れ様です」
みんな飲み物に群がるというのに、
壁際に1人、
まだボールと一緒にいる人がいた。
「日向」
あたしが呼ぶと振り返って
ボールをつく手を止めた。
「まだ、やるの?」
「…いや、」
「…?」
何を考えているのか
全然わかんないよ…
「日向くーん、飲み物飲まないー?」
「…今、行きます」
へーぇ?
加奈先輩の言葉なら
反応するんだ?
別に、関係ないけど。
関係…ない。