記憶が思い出に変わる時(仮)
俺はこの気を紛らわすために
次の日、朝練に行った。
「あ…」
「…」
泣いてる人がひとり。
「ご、ごめんねっ…」
「なんで謝るんですか?俺関係ないですよね」
ーダムッ
バスケをしてる間は
嫌なこと、忘れられる。
でも…
「加奈先輩、泣くなら移動してくれますか?」
「っそ、だね…ごめん…」
「俺と2人でいるとこ見たら陵先輩が
傷つきますよ」
もう一度ゴールを狙おうとした。
「好きっ…、」
しかしーー…
俺の手から離れたボールは
リングにさえ当たることなく、
地面に落ちた。
「加奈先輩…?
冗談はやめてーー「冗談なんかじゃないっ!」」
涙目だけど強い瞳。
陵先輩を見てきたその瞳で
俺を見ていた。
「あたしっ、日向くんが好き…」
「加奈先輩…」
ーカタッ…
嘘…でしょ