記憶が思い出に変わる時(仮)
*君の中
*稜side
「稜っ!」
ーガッ
「っ!」
「わりぃ!大丈夫か?!」
「ただの突き指だ…」
「お前…集中しないでやってると大怪我するぞ?」
「わかってる…」
「おーい、マネージャー!稜が突き指したみてぇだから、見てやってくれ!」
「…はーい!」
加奈…
「…悪い」
「なに謝ってんのよ…いつもの事でしょ?」
「俺…加奈のこと好きすぎて、
どうしたらいいか…わかんねぇ…」
「な、なに…?」
言えよ。
日向のこと、好きなんだろ?
服部ちゃんと話してた加奈は
日向の話になると
切ない顔をしたんだ。
加奈をずっと見てきた俺には
すぐにわかった。
服部ちゃんも気づいたみたいだったけど…
「俺ら、別れる…?」
「えっ…?」
加奈が俺と別れられなくて
辛いなら、
俺から逃がしてやれ…
「ごめんな、こんな俺で…」
「………りょう」
「…っ、好きだった…本当に…」
でも俺は加奈を
苦しめたくないんだ…
「じゃあな…手当てサンキュ…!」
日向が憎いとは思わない。
あいつは無愛想だけど
いい奴だから。