記憶が思い出に変わる時(仮)




「わっ!!!」


急に太雅先輩に
引っ張られて
あたしは先輩に
抱きつく形になってしまった。


「す、すいませんっ!」

「?俺が引っ張ったんだから、謝らなくていーよ?」


え…と…

なにこれ、
なんで、こんなことに…?


みんな各々休憩していて
こっちを見てる人なんて
いないけど…


「太雅先輩…?」

「……んなよ…」

「へっ?」

「そんなに、がんばんな」




…言われてることが
すぐには理解出来なかった。


「…日向のこと、加奈に取られてもいいのか?」

「えっ…?」

「この部活はわかりやすい奴が多いな」


顔が赤くなっていくのが
わかった。



「…辛いなら、俺にしとく?」


「…え……?」



2人の間に沈黙が流れる。





「うそうそ。冗談だよ。なんかあったらいつでも相談してよ」


女の子なら誰でも
キュンとしちゃうような笑顔で
優しくそう言った。


その笑顔にほっとする自分も
ずるいのかな…


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