記憶が思い出に変わる時(仮)





「え、合宿…ですか⁈」

「うん、県総体前にみんなで、
って思って。
学校もあるし、ちょっとハードスケジュールになっちゃうんだけどね

女子のバスケ部は行かないみたい
なんだけど…

男子ばっかだし、やめとく?」

「マネージャーは強制じゃないから」


「そんなっ!行きますよ!!」


「優梨先輩が行くならあたしも
行きます!」



おととい
男子12人、女子10人、
マネージャーが1人増えて
バスケ部はますます
騒がしくなってます。



「じゃー決定。ちなみに東京!」

「とう…きょう…」

「何、東京不満?」

「い、いえ…そうじゃなくて…」



東京は…去年ぶりだから…

あたしが陽希に会いたくて
日向と由衣に迷惑かけて…


チラッと日向をみれば

「…っ!」

日向もこっちを見ていて。


すぐに逸らしてしまった視線を
ゆっくり
もう一度日向に向けた。


「東京だって、
日向くん行ったことある?」

「…去年」


なんて、加奈先輩と話してるとこで。


「…」


気にしてくれたかな、
なんてあたしの自意識過剰か…

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