記憶が思い出に変わる時(仮)
ピーッ
パスも的確。
ドリブルもまるで
ボールを操ってるかのような…。
うまいのは
誰が見ても明らかだった。
…でも。
なんか…本人が全然
笑ってなくて…
楽しそうじゃない…。
あの人のバスケは
いつもキラキラしてたのに――…
ずっと見ていたいバスケを
するのに――…
ピーッ
「はぁっ1回、
休憩しよーぜっ!」
部員たちが飲むであろう
スポーツドリンクは
あたしのすぐ横にあった。
「どっ、どうぞ…」
「お、気が利くぅ~!」
「ありがとうございます…!」
ゴキュッゴキュッ
す、すごい飲みっぷり…
「ぷはっ!やー、
可愛い子が入れると旨いね!」
「ちょっとー!
あたしにたいした嫌味ー?」
コートの反対側から
ジャージを着た、綺麗な先輩が
歩いてきた。