記憶が思い出に変わる時(仮)
教室に戻ると、由衣が
待っていてくれた。
「おかえりー!どうだった?」
「楽しい先輩たちだったよ!」
そりゃもう、
楽しすぎるくらいに。
―ガタッ
…村岡日向も戻ってきた。
その格好を見て判断したのか、
由衣が口を開いた。
「あ、村岡くんバスケ部なの?」
「…まぁ」
「じゃ、優梨一緒なんだ?」
「う、うん」
めっちゃ気まずいんだけどね…
どうでもいいと言わんばかりに
村岡日向は無言で
着替えはじめた。
「「…」」
同時に
あたしと由衣も無言になる。
ホント、気まずいって…
―フワッ
その時、風が吹いて
開いていた窓から桜が
入ってきた。